香港は「党員治港」に怒りを爆発させるか

執筆者:樋泉克夫 2012年3月28日
エリア: アジア

 3月25日、香港行政長官選挙が終わった。結果は胡錦濤系と見られる梁振英が勝利し、江沢民・習近平系とされる唐が惨敗した。最初から北京の中央政府が“指定”した候補が選挙委員大多数の支持を得てスンナリと勝利した過去4回(76年、92年、95年、07年)の選挙とは異なり、今回は終盤に近づくに従って縺れにもつれ、これに北京における政権交代期の権力争いが重なり、史上空前の醜い選挙となったものの、最後に勝利したのは3月15日に北京で温家宝首相が「香港は必ずや多くの香港住民に支持された特首(長官)を選出するだろう」と示唆した通り、梁振英だった。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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