ロムニー「確定申告延長」への風当たり

執筆者:足立正彦 2012年4月16日
エリア: 北米

 米国では2011年分の確定申告の締め切りが今月17日に迫っている。同期限を4日前にした今月13日、ホワイトハウスはバラク・オバマ大統領夫妻の昨年分の確定申告書を公表した。オバマ夫妻の昨年の収入は総額約79万ドルとなり、連邦所得税の実効税率は20.5%であったことを明らかにした。

 他方、共和党大統領候補選出プロセスからリック・サントラム元上院議員(ペンシルべニア州)が撤退したことにより共和党大統領候補になることが確実となったミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事は、オバマ夫妻の昨年分の確定申告書が公表されたのと同じ13日、内国歳入庁(IRS)に対し夫妻の確定申告の延長申請手続きを行なうという、オバマ夫妻とは対照的な対応を見せた。ロムニー選対本部関係者は、今年11月6日に投開票が行なわれる大統領選挙の投票日前までの今後6カ月以内に、必要な関連情報を入手し次第、確定申告を済ませて公表する方針を明らかにした。また、ロムニーは、過去数年間、4月中旬の確定申告の締め切りを延長する申請手続きを行なっており、確定申告の延長申請手続きが今年だけに限ったことではないとロムニー選対本部関係者は説明している。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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