「貧者の神父」としてパラグアイで初の左派政権を誕生させたフェルナンド・ルゴ大統領が、議会上院による弾劾決議を受けて6月22日に失職した。6月15日に起きた農場を不法占拠する農民と警察との衝突で、農民11名、警官6名が死亡した責任を主に問われる形で、前日の下院での手続き開始決定を受けて弾劾されたものだ。憲法に従い真正自由党のフェデリコ・フランコ副大統領が大統領に就任したが、大統領選挙を9カ月後に控えた内陸の小国パラグアイで起きた政変は、周辺諸国から「議会によるクーデター」と非難の声が上がり、新政権の承認問題に発展する事態となった。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン