不安視される「側近中の側近による」ロムニー選対本部

執筆者:足立正彦 2012年7月24日
エリア: 北米

 米国経済の先行きに不透明感が漂い始める中、8月27日からフロリダ州タンパで共和党全国党大会が開催されるまで1カ月余りとなった。本来ならば現職のバラク・オバマ大統領に挑むミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事の方がオバマ再選に向けた最大の弱点である「経済失政」に焦点を当てて、オバマ大統領に果敢に攻め込む形の選挙キャンペーンを展開していなければならないはずである。だが、ロムニーの選挙キャンペーンは実際にはそのような展開とはなっていない。

 最近、オバマ陣営や民主党全国委員会(DNC)は、共和党大統領候補指名獲得を事実上確実にしているロムニーに対してさらなる納税申告の公表を迫り、ケイマン諸島やスイスにおける海外口座情報の開示を求めるなど大攻勢をかけており、ロムニーは防戦一方となっている。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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