政治をゼロから考える (3)

日本に2大政党制は合わない?

執筆者:宇野重規 2012年8月13日
エリア: アジア

質問 「日本の2大政党制は失敗だったのでしょうか。イギリスではなぜ2大政党制が続いているのですか?」


 質問をいただきました。要旨部分だけを抜粋すると、「イギリスの長い議院内閣制の歴史を見ると、2大政党制が続いた理由は何だろうかと思います。イギリス議会政治史のなかに、何らかの処方箋があるのでしょうか」とあります。
 たしかに日本の政治を見ていると、「2大政党制」へのかけ声も空しく、またぞろ政界再編の話が出てきました。いったいどれだけ有権者が辛抱すれば、日本にも「2大政党制」なるものが確立するのでしょうか。「そもそも日本に、2大政党制は合わないのだ」という意見もしばしば耳にしますが、無理もないと思います。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
宇野重規(うのしげき) 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
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