日本と台湾の漁業交渉が合意に達したことを受け、11日の日本の新聞各紙の朝刊はほとんどが「中台間にくさび」という見出しを掲げながら、分析を加えていた。今回の合意が持っている戦略的意味を表すには「くさび」という言葉がふさわしいことに異論はないが、では、どうして今回の合意が「くさび」になるかという点についてはもう少し突っ込んだ解説があっても良かったのではないかと感じた。
毛沢東の著作に有名な「矛盾論」というものがある。厄介な問題の背後には、さらに大きな問題、つまり「主要矛盾」が存在し、それへの認識がなければ「従属矛盾」たる目の前の問題を正しく理解し、解決することはできないという論である。
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