震災から十年を経た今年、「被災地の責務」を負った神戸が、世界に向けて被災と復興までの経験を「発信」する。 天災は文明の発達とともに進化する――物理学者にして文学者だった寺田寅彦は、昭和九年の随筆『天災と国防』でこう書いています。つまり、原始社会では人は簡素な家に住み、人口も密集しておらず、天災の被害もそれなりだが、社会が発展すると建物は高層になって人は無防備に集まり、天災の被害は何倍にも広がる。天災が多い日本は、そういう点に留意して町づくりをしなければならない。寺田寅彦は、そう指摘していたのです。
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