今回の大統領選挙は武装兵力が行政の実権を合法的に奪取したものといえる。懸案に囲まれた新政権はどう動くか。 イランの有権者は第六代大統領として、選挙前に下馬評が高かった現実主義者のラフサンジャーニ元大統領ではなく、保守強硬派のテヘラン市長マフムード・アフマディネジャード(四九)を圧倒的な差で選んだ。 ここでは、八年間にわたって政治改革を主導してきたハータミ大統領といわば対極に位置する人物が選出された背景を、イラン社会の価値観の変化を眺めながら分析し、同時に懸案事項に取り囲まれたイラン体制の今後を探ることとする。

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