FRB次期議長「サマーズ脱落」で問われるオバマ大統領の「判断力」

執筆者:足立正彦 2013年9月23日
エリア: 北米

 米連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長の任期は来年1月末に満了する。バラク・オバマ大統領も今年6月時点で同議長を再任しない意向を示唆していたため、次期FRB議長指名は大きな関心を集めている。候補としては、量的金融緩和を縮小することに積極的と見られていた「タカ派」のローレンス・サマーズ元財務長官と、対照的に慎重と見られている「ハト派」のジャネット・イエレンFRB副議長を軸にして、ドナルド・コーン前FRB副議長、ティモシー・ガイトナー前財務長官らの名前も浮上していた。そして、この問題で重大な展開が9月15日にあった。オバマ大統領の信頼が最も厚いと見られていた最有力候補・サマーズ元財務長官が、次期FRB議長選びから自らを外すよう求める内容の書簡をオバマ大統領宛に送付し、同氏の次期FRB議長就任の可能性が完全に消え失せることになったのである。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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