饗宴外交の舞台裏 (186)

安倍首相が赤ワインに込めた「日本・スペイン協調」の将来性

執筆者:西川恵 2013年11月12日
エリア: ヨーロッパ 中南米
 400周年の記念切手も交換した両首脳    (C)時事
400周年の記念切手も交換した両首脳    (C)時事

「日本スペイン交流400周年」を記念して日本で各種の交流事業が始まるのに合わせ、スペインのラホイ首相が10月1-3日、来日した。

 1613年、仙台藩主の伊達政宗は徳川家康の許可を得て、支倉常長を正使とする慶長遣欧 使節団を派遣。使節団は太平洋と大西洋を横断して翌年、スペインに到着し、国王フェリペ3世に謁見を果たした。この使節団派遣が日本とスペインの交流の起点とされている。

 ラホイ首相は東京でのシンポジウムやビジネスフォーラムのほか、3・11の被災者への連帯を表するために、福島県立美術館でもたれたスペイン人芸術家の作品展のオープニングにも精力的に出席した。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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