楽天―TBSの黒幕にも擬された“カリスマバンカー”が、郵政民営化を最後の舞台に選んだ。いや、「担ぎ出された」と言うべきか。「身に余る光栄だ」――。「郵政民営化会社」の持ち株会社初代社長に指名された十一月十一日、西川善文前三井住友銀行頭取(六七)はこう語り、さっと頬を紅潮させた。UFJグループ統合争いで三菱東京フィナンシャル・グループに敗れ、金融庁の厳しい検査をかわせず赤字決算にも追い込まれた末の頭取退任。尾羽打ち枯らしてのち五カ月、西川氏久々の晴れ舞台だ。 にもかかわらず、郵政改革への意欲を懸命に語る西川節にはどこか哀愁が漂う。「カリスマバンカー」と長年持て囃されてきた西川氏の宿命を想わずにはいられない。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン