日本政府は一月二十日、米国産牛肉にBSE(牛海綿状脳症)の病原体が蓄積しやすい特定危険部位の脊柱が混入していたとして、昨年末に再開したばかりの輸入を再び禁止した。実はここ十年、BSEは外交の饗宴の場にも大きな影響を与えてきた。 一国としては最大の十八万頭を超える牛がBSEを発症した英国は、一九九六年以来、欧州連合(EU)諸国への牛肉の輸出が禁止されている。EUは近く解禁予定だが、バッキンガム宮殿、ダウニング十番地(首相官邸)いずれも、外国首脳を迎えた饗宴では牛肉料理を避け、リスクの少ない子羊を供するようになった。ただもう一点、見落とせないのは魚料理が主菜(メイン)として認知されるようになったことだ。
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