8億1450万人の有権者、93万カ所の投票所、188万台の電子式投票機――。文字通り世界最大の民主主義を実践するインドの総選挙の投票が、いよいよ4月7日からスタートした。開票は5月16日に一斉に実施され、同日中にも大勢が判明する見通しだ。
各種世論調査を総合すると、最大野党・インド人民党(BJP)率いる政党連合、国民民主同盟(NDA)が過半数を確保する見通しが濃厚だが、過去2回の総選挙では事前の世論調査はいずれも大きく外れていることから、過信は禁物だ。
BJPへの追い風による政権交代への期待、政治には縁のなかった文化人や社会活動家らが「反汚職」で結集した庶民党(AAP)の躍進、そして約1億人に達するファースト・タイム・ボーター(初めて投票権を行使する18-22歳の若者)の大量参政などを背景に、選挙戦にも新たな風が吹き始めた。各政党はプロ政治家ではない俳優やスポーツ選手、文化人、起業家らを多数擁立、これまで以上にユニークかつ多彩な候補者が出そろった。
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