保守の重鎮バックリーが始めたイラク戦争批判

執筆者:会田弘継 2006年5月号
エリア: 北米

 ブッシュ米大統領の支持率が、去る三月二十日のイラク開戦三年を前に、三〇%台半ばまで落ち込んだ。ウォーターゲート事件さなかのニクソン大統領並である。米国民の政党支持率は、俗に四・四・二だという。民主、共和両党は、それぞれ有権者の四割をつかんでいる。この人たちは大統領(候補)がだれであれ、党を支持する。残る二割の浮動票をより多く分捕った方が「勝ち」というわけだ。 ブッシュ大統領への支持率はついに、その盤石であるはずの持ち分四割を割った。共和党支持者に離反組がどんどん出始めたということになる。主因は混迷するイラク情勢だ。イラク戦争を主導したといわれるネオコンにも離反者が出たという。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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