「寝た子を起こしてしまった」
与党議員たちは、いら立っている。5月21日、福井地裁が出した、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを命じる判決のことだ。
国民世論の中では今なお脱原発を求める声は根強いが、脱原発運動そのものに一時の勢いはない。毎週金曜日夜に首相官邸前で行われているデモも、人数は激減し「常連」たちだけが声を上げているというのが現状だ。
しかし福井地裁の判決は、脱原発運動を再び盛り上げるきっかけになる。再稼働に向けて進む安倍政権にとっては誤算だ。ましてや今年は原発が争点となる知事選が待ち構えている。大飯原発のある福井に隣接する滋賀と、福島だ。この2つの知事選に「重大な影響が出るかもしれない」という危機感が、政権中枢に広がっている。
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