タイのプミポン国王(七八)が六月九日、即位六十周年を迎えた。現役の君主では世界最長の在位で、天皇、皇后両陛下をはじめ、世界二十五カ国の王族、皇族が式典に集った。 プミポン国王は現チャクリー王朝八代の兄が急死した一九四六年、十八歳で即位。土地改良、少数民族支援、麻薬畑の畑作転換など、農業を重視した数々の「王室プロジェクト」を推進。また伝統と現代社会の調和を図り、政治危機にあっては民主主義に沿った解決の道を示し、国の求心力となってきた。 こうした国王に対する人々の敬愛の念は深く、即位六十周年の日には、炎天下にもかかわらず宮殿前広場を五十万人以上の市民が埋め尽くした。

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