「社会的弱者」への目配りを始めた米共和党

執筆者:足立正彦 2014年8月22日
エリア: 北米

 2年前の8月、ミット・ロムニー共和党大統領候補の副大統領候補指名を正式に受諾し、バラク・オバマ大統領の再選阻止に挑み、現在は米議会下院予算委員長の要職にあるポール・ライアン下院議員(ウィスコンシン州第1区選出)が先般、ワシントンにある共和党寄りの保守系有力シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)」で自らの貧困撲滅プランを明らかにした【リンク】

 このプランは、複数の連邦政府の貧困撲滅プログラムの統合を図り、「Opportunity Grant」と呼ばれる1つの助成プログラムを新たに創設し、州政府が同助成プログラムを通じて貧困撲滅に取り組むという改革案である。ライアン氏は、貧困の撲滅に挑んでいる現場の人々が最前線に立ち、連邦政府は後方に身を置くべきであり、貧困撲滅にはそうしたアプローチが不可欠と訴えている。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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