北のミサイル発射を傍観した「中朝関係」の真実

執筆者:藤田洋毅 2006年9月号
エリア: アジア

中国は、北からの難民流出に備え、着々と手を打っている。これまで使いわけてきた「アメとムチ」の、ムチを強める準備も進み――。「小胖子はどこにいる? 生きているのか?」――七月五日、北朝鮮のミサイル連射の一報を耳にした中国首脳の一人は、こう口走った。北の軍部が金正日総書記を軟禁するなど「何らかの異常事態が起きたのではないか」と、とっさに想像したのだという。朝鮮戦争に参戦した軍長老らは、かつて金正日を「小金」(親しみを込めた「金坊ちゃん」のニュアンス)と呼んでいたが、いまや「小胖子」すなわち「ちびデブ」になりはてたのだ。

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