ようやくEU加盟が決定ブルガリア、ルーマニアへの投資拡大は進むか

執筆者:Foresight 2006年11月号
タグ: EU ロシア
エリア: ヨーロッパ

 黒海を挟んでロシアとも向かい合う東欧のブルガリアとルーマニアが、二〇〇七年一月に欧州連合(EU)に新たに加盟することが決まった。両国は汚職対策や組織犯罪防止への取り組みが遅れており、一時は来年の加盟が危ぶまれていたが、EUの行政機関である欧州委員会が最終的に条件付きで来年の加盟を承認した。EU加盟が正式に決まったことで、両国に対する企業の設備投資や工場移転などが加速するのは確実だ。 海外企業から見たブルガリアとルーマニアの魅力は人件費などのコストの低さ。労働者の月間平均賃金は西欧諸国の五分の一以下とされる。この低賃金を生かして、仏ルノー・グループのダチアはすでにルーマニア国内で大衆車「ロガン」を生産。低価格の小型車として西欧諸国で人気を集めている。現地で株式会社を設立する際の資本金が少額で済むことも企業にとっては大きな利点となる。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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