インテリジェンス・ナウ

米政権内タカ派がちらつかせる北朝鮮攻撃計画の中身とゆくえ

執筆者:春名幹男 2006年12月号
タグ: 北朝鮮 大統領 CIA
エリア: 北米 アジア

 米国務省で長年、朝鮮半島政策にかかわってきた外交官が「北朝鮮関係の文書の回覧配布先に、『OVP』と指示された文書が多くてね」とぼやいている。 国務省の秘密文書はしばしば、政策調整のため国家安全保障会議(NSC)や国防総省など他省庁にも配布される。かつては副大統領に配布されることなどなかったが、ブッシュ政権になってから、チェイニー副大統領のオフィスを意味する「OVP(オフィス・オブ・バイスプレジデント)」にも回さなければならない文書が増えた。 北朝鮮の核問題や六カ国協議をめぐり、ブッシュ政権内現実派の対応を批判する情報がよく保守メディアなどにリークされる裏に、そんな事情があったのだ。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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