冬の台北は室内でも寒い。喫茶店、レストラン、国際会議場、バス、タクシーでは、なんと「冷房」が効いている。はじめはエアコンの故障だと思っていたが、そうではなかった。国立台湾大学の周辺には、学生たちが出入りする洒落た喫茶店が軒を連ねる。冷房の効いた喫茶店で防寒着を身にまとい中国茶をすすりながら談笑する大学生を目撃したときは、さすがに驚いた。 雨がそぼ降る中、台湾大学を訪れると、どの教室も例外なく窓とドアが開け放たれ、学生はオーバーコートや厚手のジャンパーを着込んで授業を受けていた。暖房がないのは一目瞭然。寒風吹き荒ぶ教室で学生たちは居眠りもできず、必死に講義ノートをとっている。

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