米国カンザス州ウィチタと言えば西部劇の舞台。あのワイアット・アープが保安官をしていた町として有名だ。 ロバート・ゲイツ新国防長官はその地で生まれ育った。だが彼は、西部の豪快な男たちとは対照的に、「細心の注意と野心」を秘め、ニクソン大統領以降、歴代六人の大統領に仕え、米中央情報局(CIA)分析官から長官にまで上り詰めた。 ブッシュ政権はイラクで泥沼に陥っている。解任されたラムズフェルド前国防長官に代わり昨年十二月に登場したゲイツ長官はブッシュ元大統領(父)人脈の人物。現大統領はいよいよタカ派のチェイニー副大統領の強硬路線を切り捨て、「現実路線」に向けて急カーブを切った――との観測さえあった。
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