金融界の巨人がしゃにむに買収に動いた裏には、日本での「空白」を埋めざるをえない米本社サイドの事情があった。「金融庁が漏らしたのか!」 二月二十三日夜、東京のベイエリアに高くそびえるシティグループセンタービル。「日興がシティグループに支援要請」とのニュースが流れると、シティグループ・ジャパンのダグラス・ピーターソン最高経営責任者(CEO)ら米国人幹部たちは顔を真っ赤にして怒った。 ちょうどその頃、山本有二金融担当大臣は記者団の夜回りを受けていた。「あいつら(シティグループ)、日興が上場廃止になったら株式を一〇〇%買ってもいいって」。
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