全国の地方都市に共通したものがある。東京や大阪、横浜、名古屋といった大都会ではあまり見られない。なぞなぞめいて恐縮だが、このごろとりわけその感を強くしている。国道沿いの景色である。 大きく派手な建物に広い駐車場、車がたくさん停まっていれば、それはまず「パーラー」という名のついたパチンコ屋。漫画などの雑誌が主軸商品の大型書店、中古車ディーラー、ファーストフードの店、ホームセンター、それに超大型の銭湯。 地元の商店街の個人商店をことごとく駆逐したショッピングセンターもある。夏の暑い盛りでも家族連れで入って、ほぼ一日、何も買わなければタダ同然で過ごせる。子供のころ交差点の信号さえなかった筆者の郷里も、いまやこの手の店がほとんどそろっている。

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