インド国内に存在するほんの一握りのエリート校から目を転じ、国土全体を見渡すと、国の未来を背負うべき何億人もの子供たちを置き去りにするインド教育の複雑さと不十分さが見えてくる。実際、質の高い教育を受けられるごく少数と、そうではない圧倒的大多数の子供たちとの間の格差は、先進国ではあり得ないほど凄まじいものだ。「十四歳以下の国民に対し、国は無償の義務教育を与える努力をする」――インド憲法第四十五条は、すべての子供に初等教育を施すことを謳っており、一九四七年の独立から六十年を経た現在、少なくとも名目上は、ほとんどの子供が通える範囲に学校がある。

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