製造業の発展で「世界の工場」となった中国だが、販売に関してはまだ前近代的。高度化した日本の流通業には可能性がある。 中国の家電量販大手、蘇寧電器が日本の中堅家電量販店ラオックスを買収した。蘇寧電器といわれても日本人にはほとんどなじみがないが、中国国内に八百五十以上の店舗を展開し、売上高が一兆四千億円を超える中国有数の巨大流通業。中国の家電市場の急成長を考えれば、今後、世界最大の家電量販店になる可能性もある。それほどの大企業がなぜ売上高が四百六億円(二〇〇九年三月期連結決算)程度の中堅量販店で、しかも経営の行き詰まったラオックスを傘下に収めるのか。そこに中国の流通ビジネスが抱える問題が潜んでいる。
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