景気の先行指標である北海道経済が悪化の一途をたどっている。そのすぐ先にみえるのは日本全体の不吉な将来像だ。 北海道経済は昔から、「ジャンボ機の後輪」と揶揄されてきた。景気が上向いても離陸は全国で最後。そして下降局面では他都府県に先んじて真っ先に地面に着くからだという。 そして今、北海道が景気の底板を踏み抜こうとしている。ひと呼吸遅れてやってくるのは航空機本体、つまり全国経済のハードランディングかもしれない。 九月下旬の五連休。紅葉の始まったばかりの北海道阿寒湖畔に立つひときわ大きな建物に、夜七時を過ぎても大型観光バスが続々と横付けされ、団体客が飲み込まれていく。北海道東部で最大級の宿泊施設、ニュー阿寒ホテルだ。全三百七十室がひさびさに満員になったが、ホテルを経営するカラカミ観光の苦境を多くの観光客は知らなかっただろう。
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