ご祝儀気分はいつまで続くのか。現実から目を逸らし、筋の通らない経済政策を放置するのはあまりに危険だ。 十一月十三日から十四日まで日本を訪れたバラク・オバマ米大統領。首脳会談で普天間基地の移設の具体策について、突っ込んだ話をしなかったのだから、日本ではさぞや時間を持て余したことだろう。 オバマ大統領は十四日午前、鳩山首相が去った後に東京のサントリーホールで演説をした。アジア地域に関する初の包括的な方針表明だった。成長するアジアに食い込もうという意図がひしひしと伝わる内容で、日本としても一枚噛む好機だったはず。なのに普天間という喉元に刺さった棘が邪魔して、米国と腹を割った協力関係を築けない。

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