「鳩山民主党」に欠落する「政治的リアリズム」

執筆者:小田博利 2009年10月号
エリア: アジア

圧倒的勝利で誕生した民主党政権だが、日本の抱える課題が減ったわけでも、無くなったわけでもない。外交に経済、政治改革。鳩山民主党に必要なものとは――。 民主党政権の誕生に虚ろな大騒ぎが起きている。財政の裏付けのない大盤振る舞い、方向感の定まらぬアジア主義、内容空疎な友愛の標語。民意は民主党に投じたのではない。腐り切った自民党政治に対し暴力的に不信任票を行使したのだ。 見逃せないのは日本の政局が米国の後を追う「写真相場」である点だ。ウォーターゲート事件でリチャード・ニクソン大統領が退陣させられた一九七四年に、金脈問題で田中角栄首相が引責辞任し、七六年に米国発のロッキード事件で逮捕された。九三年発足のビル・クリントン政権と宮沢喜一首相は反りが合わず、この年の総選挙で自民党は下野した。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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