リスボン条約がついに発効する。これまでは経済分野が中心だったが、政治・外交や治安・内政でもEUの統合が進むことになりそうだ。 欧州連合(EU)の新たな基本条約である「リスボン条約」が十二月一日に正式に発効する。フランスのジスカールデスタン元大統領を議長とする諮問会議が「共通憲法」の策定を始めてから八年近く。欧州統合の将来像をめぐる加盟国の対立や、三度にわたる国民投票での批准否決を乗り越え、ようやくEUは新体制に移行する。EU大統領(欧州理事会の常任議長)やEU外相の創設、政策決定の効率・迅速化、加盟国の再拡大などが柱であり、EUが超国家機関に脱皮するための布石が盛り込まれている。
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