江沢民の長男を院士選考で落とした中国科学院「骨太の原則」

執筆者: 2010年1月号
タグ: 中国 日本
エリア: アジア

「江沢民(前総書記)さんの、最後にして最大の悲願が打ち砕かれました。わが国の知識人も、なかなかに骨太でしょう」 中国共産党中央の幹部が誇らしげだ。二〇〇九年十二月四日付の人民日報(ネット版)によると、二年に一回、中国科学院院士を増補する最終選考の結果、江の長男の江綿恒・中国科学院副院長兼上海分院院長が落選した。中国科学院の路甬祥院長は「科学・客観・公正・公平の原則を堅持した」と説明。江の圧力を気骨ではねのけたことを強く暗示してみせた。 科学院は、技術分野における中国工程院と並び、自然科学分野の傑出した人材を網羅する国務院(中央政府)傘下の機構。この双方に認められた「両院士」は中国における最高の知識人を意味し、福利厚生などを含め、日本の学士院会員以上の栄誉を終身享受する。

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