「涙のしずくほどのサイズで、最速のスーパーコンピューターのパワーを持った分子コンピューター」
クリントン米大統領が一月二十七日、任期最後の一般教書演説で、そんな驚異的なコンピューターの開発のため、政府研究開発費を増額する、と明らかにしたので驚いた。
政府支出のハイテク研究開発を正当化するのも大統領の目的であり、割り引いて受けとめる必要がある。だが、その野心的なコンセプトは注目に値する。
奇しくもほぼ同時となった小渕恵三首相の施政方針演説が、借り物の空疎な言葉で満ちていたのとは対照的だった。日本の新聞が「分子コンピューター」のことを一行も伝えなかったのもやや気になった。
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