イタリア政府はファシスト政権時代にムッソリーニがエチオピアから略奪したオベリスク(古代エジプトの石柱)を近々、返還することを決めた。 このオベリスク(高さ二十四メートル)はローマ市内の国連食糧農業機関(FAO)本部前のポルタ・カペーナ広場に立っている。エチオピア文明の揺籃期の二―四世紀のものとされ、ムッソリーニがエチオピアを併合した翌年の一九三七年、エリトリア国境に近い歴史都市オクスムから略奪し、ローマに運んで現在の場所に立てられた。第二次大戦後、エチオピアは再三返還を求め、九七年に一時まとまりかけたが、エチオピアとエリトリアの国境紛争を理由に先延ばしされてきた。
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