七月のある日、大阪城公園を望むホテルのレストランで二人の男がランチを共にしていた。厚生労働大臣・坂口力と、後発医薬品メーカーで組織する医薬工業協議会の常務理事で沢井製薬社長の澤井弘行だった。澤井は、事前に用意した何枚かのシートを手に「医療の構造改革には後発医薬品の活用が不可欠だ」と訴えた。その後も、財務省や経済産業省の担当者が相次いで澤井のもとを訪れた。「大学病院の勤務医の中にすら後発医薬品を知らない人がいますし、一般の人となると、そんな薬が存在すること自体が不思議かもしれませんね」 澤井はちょっと自嘲気味に話す。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン