国民負担の強化はてんこ盛りでも、医療機関の「痛み」はほとんどなし。厚相経験者の小泉首相は、日本医師会に対してどう打って出るのか。「これじゃあ、痛みがあるのは、国民の側だけだ」――九月二十日、医療保険制度改革の厚生労働省試案を説明された小泉純一郎首相は、そう言うと同省の幹部を官邸の執務室から追い出した。確かにこの試案には、高齢者医療の対象年齢引き上げ、サラリーマンの保険料や医療機関で支払う窓口負担のアップなど、国民負担の強化がてんこ盛り。医療機関に負担を求める部分はほとんどない。“聖域なき”構造改革を看板に掲げる小泉首相にとって、我慢ならない内容であったのは間違いない。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン