貧富の格差はなぜ生まれたか

 先月書いた「テロ根絶」のためには、「世界的な貧富の格差縮小」が必要だとしばしば語られる。日本と同じように世界中の国や人々がいつか豊かになると希望するのは、たぶん悪いことではないのだろう。ただ、目下の手詰まりを直視せず、単にカネと物資をばらまけば事足りると言うならば、「小切手外交」よりタチが悪い。 ある宗教や体制の選択は、本来的にはその人や国民の自由である。アフガニスタンのタリバン政権は今でこそ国民から鼻つまみ者だったと解説されるが、ソ連軍が撤退したあとの混乱状態の中で安定と治安を欲した人々の支持があってこそ、短期間で同国を実効支配する存在になり得た。

カテゴリ: カルチャー
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