アメリカを駆り立てるイラク攻撃の「必然性」

執筆者:中井良則 2002年4月号
エリア: 中東 北米

[ワシントン発]ブッシュ米大統領が「悪の枢軸」と名指しした三カ国のうち、軍事攻撃に踏み切る可能性が最も高いのはイラクだ。これから五月にかけて、(1)新設の国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)がイラク国内に入って大量破壊兵器の査察を行なうかどうか(2)九〇年から続く国連経済制裁の仕組みが変わるかどうか、をめぐる駆け引きと緊張が高まるだろう。ブッシュ政権は国連の査察再開を受け入れるようイラクにあらゆる圧力をかける。だが、ユニラテラリズム(一国中心主義)に徹するブッシュ政権にとって、国連は手持ちのカードのひとつにすぎない。国連ルートがうまく機能しないと見て取れば、独自のイラク攻撃を始める可能性もある。

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