東京発の外電は、日本人が「ポストW杯症候群」にかかっていると報じた。 横浜の大競技場の外には、かつて「あと365日」の大パネルが光っていた。それが日に日にカウントダウンしていって、決勝戦の日には「0」になった。 無茶苦茶に騒いだ。あらんかぎりの声を出し、誰彼なしに抱きついた。そのすべてが来て去った。後には淋しく遣る瀬ない「宴の後」があった。日本人はいま「プロ野球もつまんないし」という気分に落ち込んでいるという。少なくとも東京に住む外国人には、そう映るらしい。 しかし私には、あの決勝戦は簡単には消えない印象を残した。むろんテレビ観戦だが、一つのボールを追う二つのチームを見比べ、地球上にはこれほども異なる人種が住んでいたのかと呆れた。

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