昨年、念願のポルシェを手に入れた。カラーは赤。型式は996カレラ4カブリオレ。真っ赤なポルシェで緑の中を駆け抜けるというのが長年の夢だった。山口百恵のファンではないのだが、音楽のもつイメージ定着力はすさまじい。十年以上前から最後に買う車は赤のポルシェと決めていた。ポルシェのオーナーにはソニーの出井会長やスルガ銀行の岡野社長などハンサムな経営者が多いのも魅力だ。車体は赤でも、乗る人の髪はシルバーグレーが似合う車なのだ。 僕はこのポルシェも含め平均的な車ユーザーだった。黄色に黒ライン入りの三菱ミラージュからはじまり、銀色の三菱ギャラン、白のトヨタマーク、黒のベンツ中型セダン、銀色のベンツワゴンなどを乗り継いできた。平均的というのは色選びである。メーカーがカタログで表紙に使う、いわば推奨色の車ばかりを買っている。他人には「個性をもて」などと偉ぶっているわりには、メーカーの思う壺の車選びをしている。
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