さきごろロシアで出版された、ウラジーミル・プーチンの生涯を描く三部作の第二巻『権力への道』は、少年期をたどった第一巻に続いて、一九七五年から九九年までのプーチンの足跡を追っている。この本の特徴は、プーチンの友人や同僚の心温まる思い出話でもなければ、彼の勇気や見識を称えるくだりでもない。そうした部分に関しては、ほとんど「聖人伝」とでも言うべき第一巻と何ら変わりはない。ちなみに完結編となる第三巻は来年十一月に刊行される予定。プーチン大統領再選に向けての選挙運動中に、タイミング良く礼賛本が出ることになっているわけだ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン