新ロシア人がゆく!

執筆者:名越健郎 2003年3月号
エリア: ヨーロッパ

 ソ連崩壊から10年を経た“独裁の首都”モスクワの変貌はすさまじい。世界のブランド店が中心部に軒を並べ、カジノやクラブの派手な看板が林立、ファストフード店や寿司バーが続々誕生している。 そのモスクワを闊歩するのが、「新ロシア人」と呼ばれるニューリッチだ。ベルサーチを着て、ボディーガードを従え、黒塗りの高級外車を乗り回す。今、ドイツ製メルセデス・ベンツの最大の輸入国がロシアである。 新ロシア人がモスクワのベンツ代理店にやってきた。「ベンツS600の新車を売ってくれ」「もちろんお売りします。でも、お客さまは先週も同じ型を買われたばかりでは」

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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