私は今年三月までの予定で、政権とメディアについての研究のために米ワシントンに滞在している。アメリカでの生活は一九八〇年代後半から九〇年までハーバード大学に留学していたとき以来である。帰国後の九〇年代の前半はワシントン・ポストの極東総局(東京)に勤務したが、今回その当時との違いを改めて実感している。 九〇年前後はいうまでもなくジャパンバッシングが激しく燃え盛っていた時代だった。留学していたころは異常な注目といわれなき非難を浴び、ワシントン・ポスト時代は日本を敵視する海外メディアの報道とそうした報道に右往左往する日本の状況をみて、何とも複雑な思いをしたものだ。
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