東京都知事選(4月10日投票)が迫ってきた。投票まで2カ月あまりだが主要候補は、まだ正式に出馬表明していない。東国原英夫・前宮崎県知事、舛添要一・元厚生労働相ら、多くの名前が挙がるが、いずれも新聞辞令にとどまっている。 理由は、はっきりしている。現職・石原慎太郎氏の動静を見守っているからだ。選挙は通常「先手必勝」と言われる。先に態勢を整えた方が流れをつくる。だが、その常識は都知事選では通用しない。 常識を覆したのが12年前の石原氏だった。1999年の都知事選は大乱戦となった。自民党などが推す元国連事務次長の明石康氏が出馬。民主党側からは鳩山邦夫氏が名乗りを上げた。この他、舛添要一氏、柿沢弘治氏らも出馬し「誰が勝ってもおかしくない」選挙となった。ところが告示の約2週間前になって石原氏が出馬表明。話題を独り占めし、結局は2位の鳩山氏の2倍近い票を集めて快勝した。勝った石原氏も負けた陣営も、東京では「後出しジャンケン」が効果的になりうることを体感した。
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