着々と進む「中国による中国のための」東南アジア大陸部改造計画

執筆者:樋泉克夫 2011年11月7日
タグ: 中国 インド タイ
エリア: アジア

 10月27日、雲南省発展委員会の李文冰副主任は、同省政府が省都昆明とシンガポールを結ぶ泛亜鉄路の東部・中央・西部の3路線について、中国国内部分の建設を積極推進することを改めて表明した。泛亜鉄路とは、かねて中国が目指している昆明とシンガポールとを結ぶ国際鉄道路線で、①東部線=ヴェトナム・カンボジア・タイ・マレーシアを経由、②中央線=ラオス・タイ・マレーシアを経由、③西部線=ミャンマー・タイ・マレーシアを経由――の3ルートが構想されている。

 同副主任によれば、①東部線=昆明から国境の河口までは2013年には開通予定。②中央線=昆明から国境の磨憨までは目下準備作業中。③西部線=昆明から国境の瑞麗までの路線のうち、昆明寄りの保山と瑞麗との間の路線建設は中央政府承認済み――とのことだ。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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