北京「新京報」に飛び火した南方週末問題

執筆者:野嶋剛 2013年1月10日
タグ: 習近平 中国 台湾
エリア: アジア

広州に本拠を置く南方週末の記事差し替え問題が9日、北京にも飛び火した。

南方週末の問題で、党中央宣伝部は8日、各メディアに対し、党の検閲と記事差し替えに反旗を翻した南方週末を批判した人民日報系の「環球時報」の評論を転載するように命じた。ほぼすべてのメディアが応じたが、北京の夕刊紙として人気を集めている「新京報」は戴自更社長が自らの首をかけて転載を拒否しようとした。8日から9日にかけての新京報と党側との緊迫したやりとりが、新京報の記者によって外部に伝えられ、戴社長は9日の中国ネット上で「英雄」となった。

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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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