中国のメディアで働く人間にとって最も恐い失敗は指導者の名前を間違えることである。
我々が日本の新聞で安倍晋三を安部晋三と書いたり、菅直人を管直人と書いたりしても、「不注意でした」として訂正を出すぐらいでせいぜい口頭注意や始末書で済む。しかし、中国ではそうはいかない。「政治的な過ち」と認定され、当事者の首が飛ぶ事態になるからだ。
そのことは中国のメディア人はすべて骨身に染みるほど理解しているはずだが、やってはならないミスでも、それをやってしまうのが人間である。
報道によれば、中国の海西晨報が6月26日の朝刊で「習近平」を「習進平」と書き間違えてしまった。新聞はすべて回収処分となり、担当の編集者2人が停職処分を受けたという。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン