金融政策をめぐり、日本銀行と財務省の隔たりが鮮明になってきた。日銀政策委員会内で日銀当座預金残高(市中への資金供給量の目安)の引き下げ論が徐々に力を持つ一方、財務省は現行政策の堅持を求めている。 必要量をはるかに上回る資金を金融機関に供給する量的緩和政策は、金融システムの混乱を防ぐため、四年前に導入された。いまや「危機管理体制」を続ける根拠は乏しくなるばかりだが、年明け以降、財務省の「現行政策の継続」要求は熱を帯びる一方。日銀を国債管理政策の一部に組み込みたい財務省にとって、日銀当座預金の減額=金融引き締めへの転換は、国債相場下落を懸念させるのみだからだ。

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