アフマディネジャード体制で力を増すイラン軍部

執筆者:田中浩一郎 2005年8月号
エリア: 中東

今回の大統領選挙は武装兵力が行政の実権を合法的に奪取したものといえる。懸案に囲まれた新政権はどう動くか。 イランの有権者は第六代大統領として、選挙前に下馬評が高かった現実主義者のラフサンジャーニ元大統領ではなく、保守強硬派のテヘラン市長マフムード・アフマディネジャード(四九)を圧倒的な差で選んだ。 ここでは、八年間にわたって政治改革を主導してきたハータミ大統領といわば対極に位置する人物が選出された背景を、イラン社会の価値観の変化を眺めながら分析し、同時に懸案事項に取り囲まれたイラン体制の今後を探ることとする。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
田中浩一郎(たなかこういちろう) 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科、総合政策学部教授 1961年生まれ。1985年東京外国語大学外国語学部ペルシア語学科卒業、1988年東京外国語大学大学院修士課程修了。専門はイランとアフガニスタンを中心とする西アジアの地域研究とエネルギー安全保障。1989年から在イラン日本大使館専門調査員を3年間務める。その後、外務省国際情報局専門分析員、国際連合アフガニスタン特別ミッション政務官、一般財団法人日本エネルギー経済研究所常務理事などを歴任。最近ではNHK国際放送番組審議会副委員長や経済産業省臨時専門アドバイザーを務めた。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top