2013年9月、台風18号の影響で、京都を代表する観光地、嵐山一帯が被害を受けた。また、宇治川も増水し、下流の一部が浸水した。
ニュースに頻繁に取りあげられた嵐山の中之島公園の惨状を見ながら思い浮かべていたのは、古代豪族・秦氏のことだ。
あの中之島とやや上流の葛野大堰(かどのおおい)を造ったのは秦氏で、川の流れをふたつに分け、支流を造り出し、灌漑用水に用いたのだ。このため農地は広がり、土地は豊かになった。秦氏は、京都の生みの親といっても過言ではない。平安京の土地を所有し開墾していたのは秦氏だった。
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