From Across the Potomac
From Across the Potomac (8)

(まだまだ早い)米国中間選挙展望

執筆者:冨田浩司 2026年3月24日
エリア: 北米
テキサス州の連邦上院予備選で民主党候補に選ばれたタラリコ氏は、篤い信仰心で知られ、中庸をアピールする[2026年3月2日、アメリカ・テキサス州オースティン](C)AFP=時事
11月の中間選挙に向けて各州の予備選が始まった。トランプ政権の支持率が低落し、民主党の健闘が伝えられるが、中心的シナリオは「下院民主党、上院共和党」であっても大きな「ブルーウェーブ」は難しいと考えられる。調査結果で目を引くのは、接戦区の少なさだ。これは不人気な政権であっても、自党内の支持をつなぎとめている限り、政権基盤が大崩れしないことを示している。

 昨年8月、筆者は「(あまりにも早い)中間選挙展望」と題する寄稿で、本年秋に予定される米国中間選挙の注目点を紹介した1。それから半年余り、米国を取り巻く内外の情勢は激しく変化している。また、3月に入り、テキサス、ノースカロライナを皮切りに各州で候補者選定のための予備選が始まり、本選の具体的骨格が徐々に明らかになりつつある。そうした中で、選挙の見通しについてアップデートを行う時期が来ている。本稿では、まだまだ時期尚早ながら、中間選挙に向けた展望を改めて考察してみた。

民主党に膨らむ期待感 

 筆者が昨年行った分析の主要ポイントは、中間選挙は歴史的に政権与党にとって不利であるが、民主党に対する支持の低迷から、今回の選挙はトランプ政権にとって思ったほどの向かい風にはならないのではないか、というものであった。

 その後の国内情勢を振り返ると、トランプ政権に対する支持率は右肩下がりで低落し、各地で行われた特別選挙や地方選挙でも民主党が共和党を圧倒している。そのため民主党関係者の間では今秋の選挙では、大きな「ブルーウェーブ」が巻き起こり、現政権をレームダックに追い込むことができるのではないか、という期待感が膨らみつつある。

 しかし、選挙区ごとの見通しを積み上げた選挙情勢は、昨年8月の時点に比べると、多少は民主党に有利な方向に傾きつつあるものの、依然として「ブルーウェーブ」を予期させるほどの勢いには欠けるように見える。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
冨田浩司(とみたこうじ) 元駐米大使 1957年、兵庫県生まれ。東京大学法学部卒。1981年に外務省に入省し、北米局長、在イスラエル日本大使、在韓国日本大使、在米国日本大使などを歴任。2023年12月、外務省を退官。著書に『危機の指導者 チャーチル』『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』(ともに新潮選書)がある。
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